「どこの票を取ろうとするのか?」という戦略性

コラム

選挙で割ける人員も時間も限度があり、いかに効率よく選挙戦を行えるかが勝敗を決すると言えるでしょう。
はたして各陣営はどこの票を奪おうと考えているのか?守ろうとしているのか?
そこが見える陣営、見えない陣営があるように思います。

明確な狙いを持って選挙をしてきた維新陣営

維新の会の選挙は非常に攻撃的です。
仮想的を設定し、徹底的に攻撃、その票田を奪う戦略を取ってきました。
これまでの選挙では「大阪自民」「共産党」を仮想敵として、分かりやすい善悪構図を設けて自民票を削ることに成功し伸びてきました。
東京における、自民党東京都連を悪のイメージを付けることで大成功した都民ファーストのそれを思い浮かべると分かりやすいのではないでしょうか。
今回の選挙でも自民党への攻撃は熾烈を極めます。

これにより国政における反自民・反安倍層も維新に流れることになり、立憲や国民民主党、共産党は埋没することになるという一石二鳥の効果が見込まれます。

共産党攻撃に関しては、今回は意味をなさないが、大阪の首長選などではしばしば公明党が自主投票とする事例があるため、そういったときに公明党と共産党は大変仲が悪いため、公明党支持層を維新に入れさせる効果があるように思えます。

このように、維新陣営はよく練られた戦略で、「これ!」と決めた焦点に一点突破で選挙戦を行う傾向が強くあります。またその戦略は成功続けている。

守りの自民党

自民党はまずは自らの支持層をがっちり固めるという、守りの選挙が第一です。
自民を削ろうとやっきな維新と、それからいかに守るかという自民というせめぎあいがまずあります。
しかしそれがなかなかうまくいっていず、攻撃側が優勢というのが、先日のダブル選、大阪12区補選などでの維新に対する連敗に出ているように思います。

少し違ったのが先日の堺市長選挙で、自民を離党することで維新の攻撃をスカし、さらには守りに入らず徹底的に攻撃でやりあったのです。結果としては堺市全域としては無名の候補から、大善戦。一定の反撃を見せました。

今回は国政選挙であり、「与党自民党」として戦うためどう出るか。

「いつものみなさん」を固める公明党、しかし…

公明党はご存じの通り創価学会を支持母体とする政党です。
ですから「いつものみなさん」を固めることが唯一の戦略ということに当然なります。
ゆえに投票率に左右されない固い票で強いのです。

しかし、課題もあります。少子高齢化と、学会員の政治離れが進むのです。
創価学会が「家の仏壇の宗派」に若い世代ではなっていき、政治に熱心な学会員が減っていく状況で、苦しくなってきているのです。
29年の衆院選でも立憲が新党ブームで伸びる中、公明党は肉薄されたり抜かれる地域を出していました。結果、統一地方選でも現職が居たのに擁立を見送った選挙区があったりします。
公明党の場合は、よそよりも自分自身との闘いが正念場でしょう。

ターゲットに迷う立憲・国民・共産

立憲民主党、国民民主党、共産党の既存のリベラル系政党は狙いが定まっていないように思います。
互いの支持層を奪い合う選挙に終始しているようにも見え、これでは小さいパイを奪い合ってるだけで勝ち目は無いでしょう。
統一地方選でも、立憲と共産が選挙区を調整できず食い合って共倒れの選挙区が頻出。
ネット上でも立憲支持者と国民民主党支持者が口汚く罵りあいをしている状況です。
タコツボの中での戦いをしていると言わざるを得ません。

もっと大きな大平原を狙わねばならないのではないでしょうか?
大阪においては票を奪わねばならないのは、立憲・国民・共産の中ではなく、無党派や維新支持層なのではないかと思われます。そこへの戦略性がいまいち見られないように感じます。

狙いが明確なN国

NHKから国民を守る党、通称N国の大阪における戦略は明確。
維新の客層と被っていると自覚し、維新を徹底的に攻撃することで維新票をいくらか奪おうという戦略です。
これは先日の堺市長選挙でもN国の代表の立花氏が出馬してやって成果を上げた戦略ですが、今回の参院選でも候補者の尾崎全紀氏は踏襲し、「日本維新をぶっ壊す!」と維新攻撃を声高に掲げる。

大阪で最も票持っているのは、圧倒的に維新なのですから、理にかなっている。
立憲などが大阪において自民攻撃に終始しているのは、こと大阪に関しては間違っているのかもしれません。
そもそも大阪では自民党が票を既に持っていないし、自民に不満ある人は維新に移っているのです。今自民党に残るのはそう簡単に離れる人々ではなく、そこを狙いにいっても効果は薄いでしょう。
N国の維新の票田狙いはシビアに分析された戦略といえます。
持っている票自体が数の上で維新が圧倒的ということもあるでしょうが、今自民や公明に残る固い票よりも維新にたくさん集まってる票のほうが揺らがせやすいという判断もあるかもしれません。

どこの票を狙うのか?戦略を描く必要性

維新とN国には狙う層がはっきり見えていて、どこからどう削るかというシビアな想定が感じられます。
自民と公明も、守る立場としての選挙戦略が見て取れます。
問題は立憲や国民民主、共産の動向です。彼らは食い合うばかりで、全国画一的な目線でしか大阪を見れていないのではないでしょうか。
ここは大阪です。維新が支配する全く違う状況の土地です。N国の描く、維新から票を狙う戦略は間違っていないでしょう。


本日、れいわ新選組の代表・山本太郎がなんと、共産党・たつみコータロー、さらにはその後、立憲民主党・かめいし倫子の選挙応援に来阪します。
誰の発案なのか、れいわ陣営のような気がしますが、これは両者に効くはずです。
維新は実態はともかくとして「チャレンジャー」としての立場を明確にし、既存政党に対するカウンターとしての票を集めています。そこに響くでしょう。

つまり、 自民党を古い政党と攻撃しても、維新に利するということすら考えられるのです。
逆に維新を攻撃すれば、その場合は大阪で最も多い維新に期待観を持つ人が揺らぐことが考えられます。
年金問題が今話題ですが、維新は年金を根本的に違ったものにする「積み立て方式」を訴えています。これについて立憲や国民民主が批判して攻撃に出たなんてことがありますか?
無いですよね?安倍政権批判ばかりで。

これでは自民不信が広がり、4議席目を争う維新にその票が移るだけで立憲は自分の首を絞めることになるでしょう。

「維新の既存の停滞に対する改革者イメージ」ここのイメージを奪い取れれば維新票を奪うことができるのです。29年衆院選で、枝野・立憲が新党ブームが巻き起こり、大阪で最も割を食ったのが維新。大阪南部でたった3議席取るだけという大惨敗をしました。
ですので、今新党として注目を集める山本太郎のれいわのイメージを乗せることは、辰巳、亀石共に、ふわっとした反体制的な層を引き寄せる意味で価値があるはずです。

参院選は選挙期間が長く、まだ10日近くあります。
状況はまだまだ大きく動くことが考えられ、今後の各勢力の戦略が注目されます。

タイトルとURLをコピーしました